安いロボット掃除機がコロナ禍の私を救った話
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- Shoshana Wodinsky – Gizmodo US
- [原文]
- ( たもり )
ロックダウンで精神的にしんどくなってしまったという米GizmodoのShoshana Wodinsky記者。そんな彼女がロボット掃除機のおかげで救われたという体験談です。
みんなと同じく、私もコロナ禍の大半はガラクタをたくさん買って過ごしていました。本当にバカげた商品をです。終わりが見えず苦境としか思えないロックダウンをそんなガラクタがもしかしたら…きっと…乗り越えさせてくれると確信して。結局そういった衝動買いは期待に沿えたとは言えません。でも、Bottoだけは別でした。
私のとても低い基準を満たしてくれる安くて小さなロボット掃除機
“Botto”はリビングルームのソファに寝そべって、スマホでロボット掃除機のレビューを眺めていた時に浮かんだ名前です。ええ、おバカな名前ですよね。言い訳かもしれませんが、これはパンデミック中の大体のショッピングと同じく、午前2時ごろの出来事。考え事をするにはあまりに疲れているけど前述のガラクタの購入を避ける程度には疲れすぎていない奇妙な時間帯で、その時点で電熱ソックス1足、45ドルのアロマキャンドル、XLサイズのハラペーニョ味ビーフジャーキーを買っていました。他の品々と同じようにBottoも返品になるか(キャンドル)、捨てられるか(ジャーキー)、私のクローゼットの中で一生過ごす(ソックス)のいずれかになると思っていました。しかしBottoはピッタリだったのです。
生気のない目で1時間ほど物色した後、Dibea D500Proを買うことに。私のとても低い基準を満たしてくれる安くて小さなロボット掃除機です。それなりの口コミがあり、ニューヨークにある狭小アパートメントで動くには十分な小ささで、壁際や隅まで進めるようD型モデル。市場で見つけたD型の多くはルンバ「s9+」のように呆れるほど高価でしたが、私は200ドルほどでDibeaを手に入れられました。この値段だともっと高価なモデルに付いてくるような機能はないですが、掃除の手助けはしてくれます。
散らかっていく家に何カ月も引きこもり、メンタルは悪化し続けだった
それに率直に言うと、私には得られる限りのサポートが必要でした。何カ月もずっと家の中に引きこもっていると散らかっていくのは避けられないし、その散乱ぶりは悪いメンタルサイクルを引き起こしてしまいます。非常に落ち込んだり、かなり参ったり、ただ単に掃除を始めるには疲れ果ててしまったりとね。片付けは頭をスッキリさせるのに効果的だと分かっていたとしても、掃除を始めるどころか、積もりに積もったゴミの山がどんどん大きくなるのを完全に飲み込まれるまで見ていく羽目になる。掃除を手伝ってくれるルームメイトがいたら別ですが、私の唯一のルームメイトは2匹の猫のみ。ですから1人と2匹で自宅が中からゆっくりと朽ちていくのをただ見ていたのです。
最低から脱出する第一歩に
それこそが新たなロボット掃除機の目的になるはずでした。オフィスチェアにある洗濯物の山を畳むわけでも冷蔵庫の奥にある悪臭を放つ物体を捨ててくれるわけでもないですが、出発点にはなります。そのうえ、猫たちが仕事をしようとしている私に遊べと何百万回も訴えてくるのを(きっと)防ぐかもしれません。Bottoは約1週間後に届いて、充電パッドで一晩過ごした後、仕事前に放たれました。猫たちはすぐに怖がってしまいましたが、少なくとも私の足元でじゃれたりドアに向かって鳴いたりといったいつものルーティンはありませんでした。さっそく状況が好転し始めたんです。数時間後、Bottoの背面を開けてカートリッジを取り出すと、数カ月分のホコリと猫の毛、そして焼き菓子が入っていてひどいもんでした。それでも、私が感じたのは圧倒的な安堵の気持ちだけ。確かに床に掃除機をかけたのは私ではありませんし、Bottoはあちらこちらで吸い残しがあるかもしれません。でも、床に掃除機をかけることはできたんです。
心の病は様々な形で現れて、うつの症状は人それぞれです。私の場合は、自分の頭がちゃんと働かなくなるまで気付けないようなゆっくりと忍び寄ってくるもので、冷蔵庫の中で食べ物を腐らせるようになり、時に何週間もシャワーを浴び忘れてしまいます。友人が連絡をくれた時でさえ、返信するには疲れすぎているので、どのプラットフォームでもメールやメッセージが山積みになり始めます。この数カ月間で一番つらかったのは父が新型コロナに罹って見通しがあまりよくなった時で、猫が(否応なく)私を無理やり台所へと行かせるまで食べるのも飲むのも忘れてしまっていました。
その穴へゆっくりと落ちていったように、Bottoがもたらすメリットも気づきにくいペースでやってきました。でもメリットは生じたのです。数週間後、Bottoが小さくて平たい顔を “いつかは”寄付するつもりで隅に置いておいた本の山にぶつけ続けていることに気づき、数冊を地元の図書館に持っていきました。キッチンの流し台から漏れた奇妙なヘドロ周りの移動に手こずっていたので、Cloroxを手に取って拭き取りました。こういった些細なことは以前なら不可能に思えていましたが、突如として平気になったのです。もっと正確に言うと、そう思う頻度が減ったんです。そしてそういった些細なタスクが片付くと、急に嫌な洗濯物の山を畳む、ゴミを出すといったもう少し大きなタスクもできると思えたんです。
ロボット掃除機の飼い主になってからの9カ月間で、物事は変わりました。都市部の活動が再開され始め、人々は出掛けるようになり、そして私の猫たちはロボット掃除機が起動するたびに恐怖で逃げ惑うのではなく無視することを学びました。私の心の病は消えるわけではないし、どんな類の掃除だろうと…Bottoの起動でさえも不可能に思える日もいまだにあります。ですが、できると思える時をロボット掃除機が待ってくれてるということだけは分かっています。
Source: Slate, Vice, The New York Times(1, 2, 3, 4, 5, 6), curbed, Huffpost, Los Angeles Times,
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