コンパクト三色レーザー凄すぎない? 美麗なジンバル付きプロジェクター3機種を徹底比較
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- 木村ヒデノリ
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この大きさで三色レーザーはすごすぎる。しかもジンバルまで付いてるんだって?
JMGO(ジェイエムゴー)がプロジェクターの新しい境地を開きました。今回3機種が登場するN1シリーズは、なんと一番リーズナブルな2kg弱のエントリーモデルを含めた全モデルが「三色レーザープロジェクター」なんです。
今回は3機種まとめてお借りすることができたので、どれがどのシチュエーションに合うのかしっかり比較したいと思います。
エントリーモデルから三色レーザーの衝撃
JMGOは2011年に設立された比較的新しい企業で光学技術を得意としています。新しい企業ながら400以上の特許を持つだけでなく、多くのデザインアワードでも賞を取っています。
直近でリリースされた、こちらもおしゃれなO1という超単焦点プロジェクターは光学系をLeicaと共同開発して話題を呼びましたね。
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今回紹介するのはそのJMGOが作った最新作、世界最小三色レーザープロジェクターのN1シリーズです。三色レーザーを採用しているということ自体驚きなんですが、これまで映像は綺麗なものの高額(平気で50万くらいする…)、というイメージしかなかったレーザープロジェクターが驚きの価格になっています。
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レーザープロジェクターのメリットは、
- 高輝度なのに消費電力が低い
- 起動終了が早い
- ランプの寿命が非常に長い
というところ。
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さらに今回すごいのはエントリーモデルから三色レーザーを採用しているところ。これでお値段なんと138,160円!いや、安すぎでしょ…。
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レーザーってだけで30万はしそうなところ…驚きです。
三色レーザーの何がすごいかというと緑方向の色がしっかり表現できるという点。一般的なレーザープロジェクターは一色か二色のレーザーを蛍光体で変色してRGBを作っています。これだと色が少し濁ってしまうんですよね。
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それがこのN1シリーズは赤と青の他に緑色のレーザーも使うことで緑と黄色(黄色は緑と赤を混ぜて作ります)の再現度が段違いになりました。画像で見ると一目瞭然。
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他のレーザーやLEDプロジェクターだと黄色が緑かぶりしてしまっているのに対し、N1シリーズのプロジェクターは黄色がかなりはっきりしています。スペックでいうとBT2020(色の再現性を定めた規格)を110%カバーしているそうで、これは最近のHDRの色域をほぼカバーしています。
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エントリーモデルのN1は解像度こそFull HDなものの、HDRが綺麗に表示できてこの価格なのはすごいですよね。
絶妙な仕様分けでどれも欲しくなっちゃう
先駆けてリリースされたN1 Ultraに続き、今回登場した2機種を含めた3製品のスペック比較してみました。
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ピンク色のところは主な違い。
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N1 Ultraは解像度が4Kというハイエンドモデル。画質から機能性まで申し分ないですが価格がやや高めです。
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N1 Proは持った感じほとんどN1 Ultraと変わりません。同じ重量感で解像度だけFull HDになっています。外観は前面がマット仕上げになっていて、価格は¥195,360。N1 Ultraより約9万円安い設定です。
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そしてN1は軽い! UltraやProの半分以下なので持ち運ぶのならこれしかない印象。大きさもかなりコンパクトなので設置スペースがあまりないような状況にもぴったりだと思います。
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端子類はN1 UltraとN1 ProがHDMI2系統、N1が1系統になっています。全てeARCに対応しているのでサウンドシステムにつないで高音質で視聴したい時も問題ありません。
気になる各機種の画質はこんな感じ。
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投影に使用した元画像はこちらです。
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うん、どれも緑や黄色がしっかり再現されていて綺麗! N1の画がちょっと暗いかな…?
拡大すると…。
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ほら!すごくない? N1 Ultraの滑らかさといったらない!これが4K三色レーザーの底力ですよ。N1 Proは発色や明るさこそN1 Ultraに肉薄しているものの、近くで見ると線が見えてしまっています。N1はやはり明るさが他2台と比較して暗めですね。単体で見たら気にならないかもしれませんが、コントラストは弱く感じます。
画質がここまで違うと約9万円の差で悩みます。さらにコンパクトなのも気になる…。絶妙なスペックの差の付け方でシチュエーションによっては2機種使うっていうのもあるのかなと思ってしまいました。
試してみて個人的に選ぶならこの基準
100インチ以上で映す予定なら個人的にはN1 Ultraをおすすめしたいなと。高精細感は大きくなればなるほど顕著で、N1 Proと差が出ると思いました。明るさも大きくなるほど失われていくので、スペックの差が現れてきます。
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N1シリーズで明るさの基準に採用されているCVIAにも触れておきたいんですが、誇大広告が問題になった中国市場で新たに制定された規格となります。これまでのANSI(米国工業製品規格)に比べて明るくなっているので同じ2200ルーメンでもCVIAのほうが明るく投影されます。
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N1 Proは1500CVIAルーメン、N1は800CVIAルーメンですが、ANSIルーメンより明るいと考えるとN1でも十分かもしれません。部屋を暗くして80インチ程度で投影するならN1でも十分綺麗です。
N1 Proは100から120インチで最もコスパが良いレーザープロジェクターです。20万を切る価格でこの色再現度とコンパクトさを両立したものは他にないと思います。大画面でなければ解像度もそこまで気にならないので、コスパを求めてN1 Proを選ぶのはアリだと思います。
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最後に凄すぎるそのほかのスペックを1分で解説
画質や色再現がすごいのはここまで読んでわかってもらえたと思いますが、それだけじゃないんです。
まずはジンバル機能で、普通は別途用意しなければならないスタンドが要りません! 台形補正もリアルタイム!
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N1 UltraとN1 Proには専用スタンドも用意されているので、これを使って部屋の角に設置、普段は近い方の壁に風景や水槽を映し出しておいて、休みの日は90度回して大画面で映画を見る、といった使い方もできそうです。
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さらに音がめっちゃ静か。ファンの音、しません。回ってはいますが。これは今回初めて採用された極小の三色レーザー基板が発熱を抑えているからだと思われます。この明るさなのに音がしないってほんとに不思議です。レーザープロジェクターならではですね。
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さらにさらに。実はレーザーを採用しただけでは高画質にならないんですよ。スペックルノイズという粒状のざらざらが出てしまいます。
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これをN1シリーズでは上下左右に高速振動する板で分散させることで、1本1本が強いレーザー光を混ぜ合わせて滑らかな絵にしています。こういう独自技術もないと高画質化できないんですよね。レーザープロジェクターを選ぶときにはチェックしたいポイントです。
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Adaptiveの部分で光を混ぜ合わせ、Microstructureの部分で100インチ前後の広範囲でも均一に光を拡散する、だから綺麗に見えるという仕組みです。ここまでの技術がこの小さな筐体に詰まっている。凄さはここにあります。
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電源ケーブルが本体じゃなくてジンバルに挿さる仕様なのも地味にいいなと思いました。上下に動かすときに邪魔になりません。
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エントリーモデルからとにかく色が綺麗なN1シリーズ。3機種比較したけど僕はやっぱりN1 Ultraかな…。このサイズでテレビより綺麗なプロジェクターが出てくるなんて一昔前では想像できませんでした。
今後もJMGOには注目していこうと思います。
Source: JMGO