初のカーボン入りシューズはASICSが正解。安心して走れます
-
18,099
- ハナサキ
なんだか速く走れそうな「カーボンプレート」シューズ。
ランニングをしない人でも耳にしたことがあるかもしれません。
アスリートやエリートランナーなど、上級者向けの印象ですが、フルマラソンでパーソナルベスト更新を目指すランナーにおすすめしたいカーボンプレートを搭載したASICS(アシックス)のランニングシューズ「MAGIC SPEED 3」を試し履きさせていただく機会がありました。
およそ2週間、総距離にして100kmほど試走してみたところ、日々のランニングの意識も走りも変わりました。
まず誤解を解きたい「カーボンプレート」シューズ
そもそも「カーボンプレート」シューズとは、跳ね返りの特徴があるカーボンプレートをミッドソールに搭載することで、前への推進力を生み出す仕組み。少しでも速く走るためにサポートしてくれる役割があり、魅力的なシューズです。ただ、筋力とシューズが見合わないと自己判断し、履くことを敬遠している方もいらっしゃいます。
そんな理由から、ハードルが高いと感じていることが多いようです。また一般的にこの手のシューズは、価格帯が高いということもあって除外しがち。
ところが「カーボンプレート」シューズって、誰でも履けるんですよ。ただし、使い方と選び方にポイントがあります。
- カーボンプレートシューズ1足だけで練習も本番も走ることを避ける。
- 地面との接地面積と接地部分の素材に注目して選ぶ。
1.は練習と本番(レースなど)とで履き分けることが大切です。怪我をしやすいということが起こり得るならば、履くタイミングをミスしているとアシックスランニングコーチの小谷 浩さんは言います。
特にシューズの履き分けをしてこなかったランナーが、シューズの買い替え時などに「カーボンシューズに初チャレンジしてみよう」として、普段のランニングからレース本番に至るまで、すべてのランニングがそのシューズ1足だけになってしまうと、主に使われる筋肉が違ったり、負担のかかる場所が一点に集中することが原因で不調やケガに繋がる場合があります。
普段からジョギングやポイント練習(スピードや距離走)、レース本番用などでシューズを履き分けるよう心がけてみてください。(小谷さん)
とはいえ、いまやいろんなメーカーから「カーボンプレート」シューズがラインナップされている中で、初めてだとなおさらどれを選べばいいのか悩ましいところです。
そんな時は、2.に注目すると良さそうです。
地面に接地する接地面積が広いシューズであれば、安定性の向上につながります。さらに、かかとの外側までミッドソールが覆われているシューズならば、カーボン初心者でも耐久性に優れています。
この2点は見た目でわかる特徴ですが、お店に行ける方はスタッフの方に自分の目的や走力を伝えて相談することがおすすめです。(小谷さん)
小谷さんのコメントからも分かるように、「カーボンプレート」シューズは普段から“履き分ける”ことが大切。
普段ぼくは意識して履き分けるどころか、1足を履き潰すまで走っていたので、これは目からウロコでした。
初心者ランナーにも安心して履ける「MAGIC SPEED 3」
今回「MAGIC SPEED 3」を履いて、ひとっ走りでこれまでのシューズとの違いがわかったほど。
その理由は明確。まず、カーボンプレートをかかと部から前足部までフルレングスで搭載しているため、蹴り出しの動きを安定させ、前方へ推進する効果を発揮します。軽量であることはもちろん、クッション性にも優れているため、履き心地がやわらかく気持ちいい。
また、「MAGIC SPEED 3」は先で触れた接地面積の幅の広さが特徴です。そのため、安定感が抜群にいい。さらに、接地部分(アウトソール)の素材に採用しているラバーの範囲も広く、グリップ力と耐久性に優れています。この2点は「MAGIC SPEED 3」の大きな特徴で、それだけでも初めて「カーボンプレート」シューズを履くランナーにオススメできる理由になります。
ぼくがこれまで履いていた「カーボンプレート」シューズが、なんだかしっくりこなかったのは、接地面積と接地部分の素材を意識せず選んでいたからなのかも。いずれにしても、闇雲に選んだらダメってことですね。
勝負もできる「MAGIC SPEED 3」
「MAGIC SPEED 3」はより自然な形でしっかりと地に足がついている感覚がありましたので、走っている実感と充実感もハンパなかったです。練習もさることながら、レースでも十分に勝負ができるシューズだと思います。
短い距離でしたがちょうど10kmのレースに出る予定があったので、「MAGIC SPEED 3」を履いてみました。疲労が溜まっていたコンディションでしたが、それにもかかわらず、とても足運びがスムーズで、心地良く楽しく走ることができました。
レースなど、スピードアップしたいシチュエーションであっても、しっかりとシューズのポテンシャルを発揮してくれる秀逸さ。なかなかお目にかかれません。
買っては履き潰しを繰り返していたシューズが廃番になってしまい、長い間なかなか自分に合ったランニングシューズを見つけられずにいたんですが、ようやく頼りになる一足を見つけました。練習も本番も履ける、いわば二刀流シューズ。
たとえば、フルマラソンでパーソナルベスト更新を目指すランナーにはレースで頼りになります。また、より速く走りたいなら、インターバル走(速いスピードのダッシュと、ゆっくりジョギングなどで流すレストを交互に繰り返す運動)などのスピードトレーニング用としてもおすすめです。こんな風に、走る人の目的に合わせて履けるというところもメリット。
走力のレベルを問わず、初めてのカーボンプレートシューズを選ぶなら「MAGIC SPEED 3」一択で間違いありません。
Photo: ハナサキ