簡単、安心。iPhone 15 Proで衛星ロードサービス、使ってみました
- Florence Ion – Gizmodo US
- [原文]
- ( 福田ミホ )
アンテナが立たない場所へのドライブも安心。
今年のiOS 17へのアップデートで、米国ではiPhone 14/15シリーズから、携帯電波のない場所でも衛星通信でロードサービスを召喚できるようになりました。これはiPhone 14シリーズで可能になった、衛星経由の緊急SOSのクルマ版のような感じです。
残念ながら、日本ではまだどちらも使えませんが、米GizmodoのFlorence Ion記者が、衛星経由のロードサービスをお試しして、どんな風に使えるのかを伝えてます。以下どうぞ!
私は心配性なのかもしれませんが、iPhone 14と15にバンドルされた衛星による安心安全系機能、すごくよいと思ってます。これらの機能があることで、催涙スプレーをバッグにしのばせてるような、心のよりどころになるんです。Androidスマホのメーカーがまだ同じような機能を提供できそうでできてないのは、すごく残念です。
年末の旅行シーズンを前にiOS 17のアップデートがあり、米国とプエルトリコのiPhone14/15ユーザーは「衛星経由のロードサービス」機能(長いので、以下「衛星ロードサービス」としますね)が使えるようになりました。
衛星経由のロードサービスは、たとえばおばあちゃんの家に行く田舎道でタイヤがパンク、といったときに頼りになります。そんな状況はすごくレアだと思われるかもしれませんが、実際使ってみると、この安心感はマストだと感じられます。
自分史上一番スムースなロードサービス依頼
今回Apple(アップル)が衛星ロードサービスの体験デモキャラバンを企画し、私を招待してくれました。まず言いたいのは、私の人生でAAA(訳注:全米自動車協会、日本のJAFに相当)を呼んだ数回の経験の中で、一番簡単だったということです。
デモの流れはこうです。何らかの車のトラブルに見舞われるんですが(私のデモでは、「バッテリーのジャンプスタートが必要」になり)、iPhone画面には衛星のアイコンが表示されています。つまり携帯電波がつながってないことがわかります。
そこで衛星ロードサービスに、テキストメッセージでヘルプを求めます。Messagesアプリで宛先に「roadside assistance」の文字を入力し始めると、オプションとして表示されるので、送りたいメッセージをタイプしていきます。
そこから各画面の操作は、見ればほぼわかります。まず、アクセスしたいのは衛星ロードサービスなのか、衛星経由の緊急SOSなのかを聞かれます。そこで前者を選ぶと、具体的に車にどんな問題が起きたのか(ガス欠とか、EVの充電とか)を選択させられ、車種を聞かれます。
その後はiPhoneが衛星への接続をガイドしていきます。スムースに進めるには、iPhoneを縦に持って、周りに木がないところに移動する必要がありました。
利用には条件あり
衛星ロードサービスには、できないこととか、使えない人とか、いくつか条件があります。米国内でもAAAのサービス提供地域でないと使えないし、車の種類は四輪車とトラックのみ、つまり二輪車は助けてくれません。
また、道路の近くでないといけない、という条件もあります。AAAに確認したところ、道路から離れた荒野とかでピンチになった人には、ロードサービスではなく、緊急SOSを求めるようにオペレーターが勧めるそうです。
衛星通信が安定してデータ転送ができる状態になると、メッセージスレッドの上に赤いAAAの文字が浮かんで、AAAの人とつながったことを示します。AAAではすでにユーザーの名前と場所、車種を把握していますが、さらに追加の質問をするかもしれません。
またメッセージの中で、オペレーターがAAAの会員番号を聞いてきます。これはAAAの会費の中に、ロードサービスが一定回数分含まれているためですが、AAA会員じゃない人でも大丈夫。オペレーターが非会員向けの金額を言ってくれるので、それを聞いた時点で費用を払うかどうか決められます。
ロードサービス費用は地域により違いますが、たとえば私が頼んだ地域でのバッテリージャンプのサービスは、非会員の場合160ドル(約2万4000円)でした。
1時間と言いつつ20分ほどで到着
AAAのオペレーターとチャットした結果、私の居場所にロードサービス車が来てくれることになりました。オペレーターは車の到着まで60分と言ってたんですが、数分経つと「10分後に到着」と予想が変わりました。
車を待つ間もAAAの人とチャットできますが、メッセージを送りたいときはiPhoneを空に向けなきゃいけません。AAAからは、15分ごとに状況をチェックしてくれます。
緊急SOSサービスと同じように、接続を切らさないためには屋外の開けた場所にいなきゃいけなくて、長いメッセージは送るのに時間がかかります。車の情報を入力した3行のメッセージを送るだけでも、1分近くかかりました。
AAAオペレーターが最後にチェックインしたとき、AAAの車がやってきました。運転手さんが窓を開けて手を振り、私の車の前に停車してくれました。
iPhoneの恩恵にさらなる安心が
これはデモなので実際には私の車のバッテリーはあがってないし、隊員氏が何かするわけでもなかったんですが、とにかく携帯電波がつながらない場所でもロードサービスとの通信がシームレスにできることはわかりました。今まで20年ほど車を運転してきて、AAAに電話したことも何回かありますが、こんなに簡単だったことはありません。
もちろんこれはコントロールされたデモですが、実際のオペレーションでも、iPhoneユーザーは優先的に処理されます。というのは、ロードサービスを求めるiPhoneユーザーはイコール携帯電波がつながらない場所にいるということで、AAAから「優先度・高」として扱われるからです。
つまりiPhoneを使っていることで、生活が一段安全になったような感覚、という恩恵が受けられるんです。ある意味、保険です。そんな保険があるなら、Androidから乗り換えようかなとか、iPhone 15に買い替えようかな、と思える人もいることでしょう。それこそ、Appleがこれらの機能に投資している狙いです。
衛星ロードサービスは、iPhone 14または15シリーズから、米国内で使えます。2025年までは無料で、その後は何かしらの料金体系が発表されるものと予想されます。
iPhoneから衛星通信で緊急SOS、無料で1年延長
Apple(アップル)は、iPhone 14/14 Proより、北米などで衛星通信を利用した緊急SOSの発信を無料で行なえるようにしています。これを1年間無料で…
https://www.gizmodo.jp/2023/11/apple-iphone-14-emergency-sos-satellite.html