少し小さいくらいがちょうどいい。愛車の「Polo」が家族をつなげる場
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- 高阪正洋
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カーシェアやレンタカーが充実している今、都会暮らしでクルマの必要性を感じている人もそう多くないのでは? とはいっても、「クルマのある生活」は体験してみないとわからないもの。
このご時世クルマを買う理由は、何も移動手段としてだけではありません。「趣味の一つとして」「ファッションとして」「人生の転機だったから」と人それぞれいろんなストーリーがあるんです。
「Polo」から「Polo」へ、きっぱり迷いなく乗り換えた
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ギズモードや姉妹メディアのルーミーでライターをしているmioさんの愛車は、フォルクスワーゲンの「Polo」。彼女の実家のファミリーカーですが、少し離れた場所でひとり暮らししているmioさんが、もっとも頻繁に乗っているのだとか。
購入したのは2019年の冬。じつは、その前に家族で乗っていた車も、同じフォルクスワーゲンの「Polo」でした。
その車を、私がぶつけてしまって。それまで13年間も乗っていたので、この際、と乗り換えることに。
かくしてmioさん一家がまっさきに向かったのはフォルクスワーゲンのディーラーで、まず試乗したのが、最新型の「Polo」。そのまま、ほかの車を検討することもなく、「Polo」から「Polo」への乗り換えを即決したそうです。
決め手はずばり、慣れ親しんだ「Polo」への厚い信頼と、10年以上の時を経て生まれ変わったその姿と実力だったといいます。
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ワイヤレス充電に、リアカメラに、自動ブレーキに……。テクノロジーの進化に、とにかく驚きました。乗り心地も、先代の「Polo」に比べると重厚感があるというか。色は、以前黒だったので、気分転換に白を選びました。
インテリアはこざっぱり。その理由は…
ファミリーカーでもあるということで家族の援助もあり、正規オプションはしっかり搭載することに。乗り換えのきっかけが事故だったため、言わずもがな、自動ブレーキは迷わずチョイス。
とはいえmioさんは凝った“カスタム”には一切興味がないらしく、インテリアもこざっぱり。強いて個性を挙げるならば、家族で応援しているというJリーグの横浜F・マリノスのキャラクター「マリノス君」「マリノスケ」のぬいぐるみがフロントにちょこんと佇むくらいのもの。
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できるだけシンプルな状態にしておきたいんです。
そんなこだわりを聞かせてくれながら、ときおり、お掃除シートで車体の気になった部分をサッと掃除するmioさん。
最初は、「撮影のために気にしてくれているのかな」と思いながらそんな姿を見ていましたが、そのあまりにも自然な手つきと、運転席のドアポケットに収まった掃除機を見るに、どうやら、こまめな掃除は普段からの様子。
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車体や窓に指紋がついたりするのが気になってしまって。車内を極力シンプルにしておきたい理由も、そのほうが掃除しやすいから。
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また、友達を乗せて出かける前にはかならず洗車場へ行き、マットの下までくまなく掃除するというからすっかり感心していると、「その方が、テンション上がるじゃないですか」とあっけらかん。
つまりは、自分にとっても同乗者にとっても、車に乗る時間がより豊かになるようにとの願いから。そのドライバー魂と愛に、脱帽です。
目的地までの道すがらも、ドライブの醍醐味
彼女が車に乗るタイミングは、おもに、思い立って大好きなサウナへ行くときや友達と遊びに出かけるとき。そしてなにより、家族そろって遠方へ出かけるとき。
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家族で車に乗って出かける先は、たとえば、両親の地元である大阪。目的地までの道すがら、さまざまなスポットへ(もちろんサウナのある温泉にも)立ち寄るのも、ドライブの醍醐味なのだとか。
また、家族のなかでもとりわけ父とふたりでドライブすることが多いそうで、つい数カ月前にも静岡へ行ってきたばかり。なにをしに?と聞くと、「永ちゃんのライブを観に」と、思いがけないパワーワードが飛び出してきました。
父が昔から矢沢永吉の大ファンで、私も、小学生になった年から毎年ライブに行っているんです。今年は静岡、去年は和歌山まで。…こんな話をしてると、家族ほのぼの感があって、なんだか恥ずかしいですね(笑)。
リビングのように、家族が集まる団欒の場
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たしかに“家族ほのぼの感”はひしひしと伝わってきますが、いつなんどきでもそんな風に家族そろって過ごしているというわけではなく、それは「車があるからかも」と、彼女もあらためて思い至った様子。
自分の住まいの近くではなく、あえて、実家に愛車を置いておく。すると、少し不便でも、家族が集まる口実になる。というわけです。
「Polo」は、家族みんなで何百キロもの距離を走るには、少し小さい車です。でも、買い替えのとき、これより大きな車は候補にすらあがりませんでした。
そのコンパクトな空間こそが、とりもなおさず、mioさん一家にとってのちょうどいい“パーソナルスペース”。一般的には住まいのリビングがそうであるように、彼らにとってはこの車こそが家族団欒のための装置であって、それゆえに、普段は離れて暮らすmioさんを、家族の時間にいつでもぐっと引き戻してくれるのかもしれません。
Photo: 千葉顕弥
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