春まで着れるかも。スカジャンこそ最高の機能性アウターじゃん
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20,306
- 尾田和実
たかがスカジャンという勿れ。
軽くて、柔らかくて、オールシーズン着れて着心地がいい。中に質のいいセーターを着込めば、暖冬には十分な保温性。
スカジャンの発祥はニッポン
昨年末から、Peace and Afterのスカジャンを手に入れました。週に二、三回は着ていてヘヴィー・ローテな一着となっています。テロっとした上品な光沢がある40匁のダブルサテンシルク生地は羽織ってもストレスがなく、肌触りも最高です(フラッグショップの中目黒CAPSULEで購入)。
今年は、いろんなブランドがスタジャンやスカジャンを発売しています。基本アメカジが好きなので、服飾史的におもしろいエピソードがたくさんあるスタジャンがいいなと思って物色していたんですが、最終的には動きやすいスカジャンをチョイスすることになりました。
映画化された岩浪れんじさんの「コーポ・ア・コーポ」の主人公も、まるで制服のようにずっと着用してて気になってました。
発祥が日本でありながら、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズがライブで着用したサン・ローランなど、ラグジュアリーブランドもこぞってスカジャンを出すようになったという経緯も興味深い。
アメリカでは「スーベニア(土産)ジャケット」という呼称で知られているように、そのルーツは戦後間もない頃、日本に駐留していたアメリカ軍兵が記念品として日本らしいオリエンタルな柄や所属している部隊のモチーフをジャケットに刺繍して持ち帰ったのが始まりとされている。(Dig-it「Litghning」より)
こう見えて実は機能的
肩がストンと落ちたリラックスしたシルエットになるラグランスリーブ(生地の切り替えが、ネックから脇にかけて斜めに曲線を描きながら入っている)は、肩に縫い目がないので可動域の面でも優れています。
Peace and Afterのスカジャンは、iPhone 15 Pro Maxがほぼすっぽり入るサイズの内ポケットもあり、ストレージの面でも、必要十分という感じ。
ゴアテックスなど、代表的な機能性素材はゴワゴワ、シャカシャカしがちです。こちらは柔軟な着心地でリラックスして着れるので、機能性ジャケットと比較しても、過不足なしと言ったら言い過ぎでしょうか。
この季節気になる保温性に関して「スカジャンは寒い」という話をよく聞いていたのですが、Peace and Afterは高機能素材であるシンサレートの中綿がキルティングでびっしり入っているせいか、かなりあったかいです。ジャケットそのものもフリース並みに柔らかいので、本格的に寒い時はインナージャケットとしてダウンの下に着たりしています。今からならば春先の肌寒い時期までは十分活躍しそうです。
なによりこれ一着あれば、他にゴテゴテ組み合わせる必要のない主役級の存在感がいい。そしてスカジャンといえば、なんといっても背中の華麗な刺繍。スカジャンは背中にストーリーがあると言っても過言ではない。エスカレーターで後ろに並ぶ人を楽しませるエンターテイメント性に優れています。
ちょっとドキドキする派手さと不良っぽさ。「いやー、辰年で目出たいんで」という言い訳も今年ならば成り立ちそうです。
source : peace and after place : LIFE IS BEATIFUL