ビットコインは2021年の1年間で70%以上の暴騰を見せた。したがって2022年もレートが上昇すると期待したいが、昨年後半にはやや伸び悩みも見せており期待通りには行かないかもしれない。
かつてない水準まで上昇した昨年
2021年の1年間は仮想通貨全般が大きく上昇した1年だった。ビットコインは他の通貨に先駆けて2020年秋頃から上昇し、300万円で20年を終了。上昇の勢いは21年春まで止まらず、4月には700万円をつけてこの時点で前年終値の2倍以上になった。
しかし5月には仮想通貨市場が3回に分けて大暴落し、ビットコインも6月には一旦320万円になった。その後秋になるとまた上昇が始まり、11月には4月の高値を超える780万円をつけた。
だがその後はさえない動きが続き、年末から2022年の年明けにかけて500万円台で停滞している。
ビットコインの一強時代は終わったか
2022年はビットコインにどこまで期待できるだろうか?楽観的な見方をする人々は、今年中にビットコインは1,000万円を超えると予想している。
ただそこまで大きな上昇が期待できるかどうかはわからない。2017~18年には最初の仮想通貨ブームがあったが、それ以前は仮想通貨と言えばほぼビットコインのみ。他の通貨はほとんど流通しておらず、ビットコインの一強だった。2016年以前は時価総額ベースでビットコインが仮想通貨市場全体に占める割合(ドミナンスと言う)が90%を超えていた。
だが2017年の仮想通貨ブームによってビットコイン以外の通貨が台頭し、18年初頭にはビットコインドミナンスは一時40%まで下がった。2019~20年には60~70%で推移していたものの、21年になると再度の仮想通貨ブームでイーサリアム初め他通貨がまた買われて昨年5月以降は50%を切る状態が続いている。
現在では仮想通貨の投資にあたりビットコイン以外も有力な選択肢であり、もはやビットコインだけが買われる時代ではない。
まだトップのビットコイン
かつてほど圧倒的な存在ではないとはいえ、ビットコインはまだ仮想通貨の中でトップの存在だ。時価総額ランキングも1月4日現在で100兆円で、2位のイーサリアムの約2倍ある。
仮想通貨での支払いを受け付けるお店も、受け取ってくれる通貨はビットコインがほとんどだ。またほとんどの仮想通貨取引所はビットコインを扱っており、最近では世界的トレードツールのMT4でビットコインが取引できる業者も出てきている。
ビットコインはすでにかなり仮想通貨として完成された形であり、ここ数年大きく変化していない。それに対して仮想通貨でインカムゲインを得られるステーキングへの対応など、新しい機能を持つ仮想通貨が出てきている。
新しい通貨に押されてビットコインはかつてのような圧倒的な存在感はなくなったものの、2022年も仮想通貨のトップの地位はまだ揺るぎそうにない。