テクノロジー 2021-9-19 アップロード
森繁 昇 Facebook
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「テクノロジー」
あれは1974年、ナッシュヴィル。毛の数?はそれほど多くない口ひげとゴーティー(あごひげ)、目の玉の黒い部分が、いつも真ん丸と、はっきり見えるほど見開いた目。落ち込んでるときは、横を向いて小さく話し、自慢のジョークを私に言う時には、それはギラギラしたあどけない目。彼から聞いた同じジョークを、私が他の人に言うと、”Corny”「つまんない」って言われるけど、私には面白くて興奮した。彼も興奮して私に話す。
彼は大学で音楽を専攻し、楽器はチューバ。それでギターも、難しいことを私にいいながら、私が全く知らないコードを弾く。ジャズっぽい音楽だった。
話は前後しますが、あれは 教会の礼拝の後だったか、「一緒に音楽やろうよ」と、彼から声をかけられた。そのように、一緒に音楽やろうと、個人的に言われたのは生まれてはじめてだった。彼は、彼の友達から、私が日本から来たフィドル弾きだと聞いていたと後から私に言った。 彼のことを話せば、なかなか尽きない話になる多くの想いでストーリーがある。
一つだけ書いてみます。
日時を決めて会うことにした。家に来てほしいということで、朝9時だったか、彼の家のドアを叩いた。出てこない。意外、。しばらく経って又叩いた。かなり経ってから、彼はパジャマ姿でドアを開けた。あまりいい気がしない私は、家に入るとすぐの薄暗い居間のカウチに座ってるように言われ、座った。物でごった返した部屋は、当分掃除なんかしてないよな。見回さなくてもわかった。5分くらい経っただろうか。彼は出てこない。不思議に思うのと、充分待ってるんだから見に行ってもいいだろみたいな、ちょっとムカつく気持ちで、奥の部屋の方に続く廊下を進んで行った。右側の開いた寝室のドアの向こうに彼がいた。私の顔を見ても一言も言わない彼がやってた事に唖然とした私は、黙ったままそこに立って彼を見ていた。 床の上には服が山のように積もってた。彼は、その服を一つずつ取り上げ、顔の前まで持ってきて、ちょっと見てから、それをベッドの上に投げるのだ。私はそれをしばらく見てから、口を開いた。「What are you doing ? 」「I am looking for a clean clothe to wear today.」と彼。唖然とした私は続けた。「そんなことしたら、ベッドが服でいっぱいになって、今夜、寝られへんやん?どうするん? 」すると彼は私の顔をマジマジと見て、黙ったまま、両手で襖を開けるような動作を私にして見せた。その動作で、「又、寝る前に、全部の服を床に落とすんだよ!」と言ってるのがわかった。 唖然としていた私は、その時、唖然が無くなり、安心と親しみで嬉しくなった。 その日以来、私達は友達になった。
多くの時間彼と音楽やったり、働いたり、遊んだりした。貧乏ミュージシャンの私たちは、音楽で食べられないので、いろんな仕事をする。その日暮らし、とまではいかないにしても貧しかった。でも心はそうじゃない。彼と私は家のペンキを塗った。たくさんの家を塗った。イエスは、彼を通して、私に沢山のことを教えて下さった。
4年後、私達家族はイエス・キリストのゴスペルを伝える為に、日本に帰ることにした。そんなある日、彼は、彼が一番大事にしているギブソンL7というアーチトップ・ギターを持って、私の家に来た。で、こう言った。 「私は、献金できないけど、これあげるよ。日本に帰って、生活のために売らなきゃいけなくなっても、気にしないでな。」 今、あの時のことを思い出すと、イエスにある兄弟としての彼の優しさに、涙が溢れる。あの時、日本に帰る自分のことで一杯一杯だった私は、今ほど彼の愛と優しさを知らなかった。彼は私より一つ年上だったが、
3年前、心臓麻痺で天国に行った。素晴らしい神の僕です。
彼の名前はJoe Perry。私は、イエスの愛を伝えたい彼の書く歌が大好き。「テクノロジー」は、彼なりに面白く書いた歌です。
A-DAT (当時最新の録音機)とか、beeper (ポケベル)って、…時代を感じますよね。多分40年前? この録音は30年位前?
名も知らない野に咲く花のように、神の愛と永遠の命の希望であるゴスペルを、そのわずかに咲く日々に、これからも、伝えさせてもらいたいです。