BlueskyがまだTwitterの後継たりうるその理由
- Lucas Ropek – Gizmodo US
- [原文]
- ( 福田ミホ )
Threadsとは全然違う考え方。
イーロン・マスク氏に買収されて以来、Twitterは不調から絶不調へと向かっていて、不安なユーザーは移行先を求めつつあります。
MetaがThreadsを立ち上げて数日で1億ユーザーを集めましたが、その前から移行先候補として有力だったのがBlueskyです。ユーザー数はThreadsに抜かされてしまっても、Blueskyはまだまだ多くの意味で本命の1つです。
Blueskyは100万人達成
Blueskyは、Twitterの創業者であるジャック・ドーシーが、Twitterから得た資金で立ち上げました。元々ドーシー氏がまだTwitterをフルタイムで動かしてたときに、そのコンセプトを固めたんです。
彼は2019年、TwitterのサイドプロジェクトとしてBlueskyを立ち上げ、その後2021年に公益合同企業としてスピンオフしました。
Blueskyはオープンソースで非中央集権的に作られていて、Mastodonなどフェディバース系サービスと同じ考え方になっています(それを否定する人もいますが)。
過去数年、Blueskyは人材を集めてしっかりした評価を上げ、先週はついに記念すべきマイルストーンを迎えました。調査会社のdata.aiによれば、Blueskyアプリの累計ダウンロード数が100万件を超えたのです。Threadsの爆発的立ち上がりに比べたら大したことなさそうに思うかもしれませんが、Blueskyの仕様を考えれば大きな数字なんです。
招待制の100万人 vs 誰でも登録の1億人
Blueskyが100万人ですごいといえるのは、ユーザー登録が招待制だからです。
Threadsは誰でもすぐ使えるので、ほんの数日で1億人がアプリをダウンロードするだけで使い始めることができました。でも、Blueskyの場合、すでに使ってるユーザーから招待コードをもらわなければ登録できません。
これを煩わしいという人もいましたが、かなりのクチコミを生んだのも確かで、Blueskyはまるで人気殺到の会員制クラブみたいに見えていました。
Blueskyは戦略的にユーザーからの期待を煽りつつ、取り残されまいという焦りを醸成しているのです。でも、招待制でなく誰もが登録できるようにすれば、ユーザー数が爆発的に伸びるのは間違いありません。
Blueskyは中身に対するレビューも上々です。今年5月、WiredのKate Knibbs記者のレビューには、Blueskyは「ワクワク感があり、伝染性のふざけたエネルギーがある。金曜の午後にRed Bullをガブ飲みして、上司が出張中の人みたいな」と表現していました。The VergeのJay Peters記者も、「今のところお気に入りのTwitterクローン」と評価しています。
一石二鳥の有料機能
Blueskyのもう1つの優位性は、ちょっと変わってるところです。
Threadsは良くも悪くもごく普通で物足りないんですが、Blueskyはもっと尖った場としてのポテンシャルを感じます。特に先週、彼らは初の有料機能を立ち上げたんですが、それも独特なんです。
Blueskyの新機能では、Webのドメイン名を購入・管理できて、それを公式なユーザー名としても使えます。この機能の提供のために、BlueskyはICANN認定のドメイン名レジストラ Namecheapと提携しました。
つまりBlueskyは、普通のサービスなら無料のユーザー名をドメイン名と一緒に「買う」というオプションを提供してるわけです。価格はドメイン名によって違いますが、だいたい年間18〜40ドル(約2,500〜5,700円)の間で、ドメイン名としては平均的です。さらにこの機能によって、ユーザーの本人確認と売上確保ができるんです。
Blueskyは広告なしで運営することを約束しているので、何らかの別の手段で売上が必要です。なので彼らは、ネット上の多くを支配するデータ監視資本主義とは違うアプローチを取らなきゃいけません。ユーザー名の販売は、その1つの方法なのでしょう。
Blueskyはブログでこう言っています。
「従来のソーシャルメディア企業は、運営コストを広告で賄ってきました。広告によってユーザーに無料でサービスを提供できますが、長期的にはプラットフォームがユーザーを囲い込もうとするといった弊害が出てきます。
広告ビジネスにおいては、ソーシャルメディア企業が特定のオーディエンスに広告を見せるためにユーザーデータを取引していて、ユーザーが製品になってしまうのです」
同時にBlueskyには、ユーザーの身元を証明する手段が必要でした。以前のTwitter Blueと同じようなものです。
Blueskyいわく、個人が購入したドメインは、ユーザーが名乗る人物そのものであることの証明に役立ちます。Blueskyはこのドメイン機能について「一定レベルのアカウント認定をするための非中央集権的な方法」だと言ってます。
Threadsは平凡で退屈。でもそれを求めていた
今のところは、ユーザーにとっても広告主にとっても安心な場所。MetaがほぼTwitterなサービス、Threadsを立ち上げました。7月6日(現地時間)予定の…
https://www.gizmodo.jp/2023/07/threads-app-instagram-hands-on-twitter-dull.html